北海道のさかな

北海道のひらめ

産地と旬

アジアで唯一のヒラメ属の白身魚

ヒラメ属は全世界で19種類いることが確認されていますが、ひらめはアジアに分布する唯一の魚種で、北海道では日本海と津軽海峡を中心に分布しています。移動範囲は、春に浅い海底に、秋から冬には深い海底にと、あまり広くありません。産卵期は6~8月で産卵期間は2~4ヵ月に及び、主に水深50mよりも浅い所に卵を産みます。ひらめは成長適水温が15~25℃と高く、成長できる水温範囲が限られるため、北海道では7~12月の間に急激に成長し、1~6月にはほとんど成長しなくなります。
長楕円形の体で頭は大きく、両目は体の左側にあります。日本では刺身、寿司ネタに用いられる高級食材で、同じ白身の魚として比較されることが多いヒラメ類・カレイ類の中では最も高値で取引されています。また、カレイよりも成長が早いこと、海底で静止していることが多いためにさほど酸素を必要とせず海水をあまり汚さないことから、養殖が盛んに行われています。

ひらめの産地
ひらめの産地

栄養

タンパク質に富み、脂肪分が少ないのが特徴で
縁側にはコラーゲンも

ひらめは、白身魚の中で特に淡白で繊細な味わいです。主に、刺身や洗い、昆布じめなど生で食べられますが、煮付けや酒蒸しなどにしても美味です。また、フライやムニエルなどの洋風料理にも向いています。特に背びれと尻びれの付け根部分の紡錘形の筋肉が重なる部分は「縁側(えんがわ)」と呼ばれ、プルンとした口当たりとこりこりとした歯触りが人気で、1尾からわずかしか取れない希少さもあって珍重されています。縁側は、刺身、寿司、酒蒸しなどで食べられます。「寒びらめ」の名がある通り、旬は秋から冬で、特に縁側は脂のりが最高です。
調理の際は、三枚卸ではなく、五枚卸しあるいは七枚卸しにされる場合が多いのも特徴です。 五枚卸しは上身背・腹、下身背・腹、骨の5つに分けたもので、七枚卸しは五枚卸しに背と腹の縁側を別にしたものをいいます。 栄養成分は、たんぱく質、ビタミンD、ナイアシンが多く、脂肪が少ないのが特徴です。縁側には、美肌効果が期待されるコラーゲンを豊富に含んでいます。

ひらめの料理
栄養成分表
一般成分
エネルギー
(Kcal)
水分(g) タンパク質
(g)
脂質(g) 炭水化物
(g)
灰分(g)
ひらめ 103.0 76.8 20.0 2.0 0.1 1.2

「五訂日本食品標準成分表」より