北海道のさかな
産地と旬
種類が多く、それぞれに旬や味わいが違うかれい。季節によって食べ比べる楽しみがある魚です。 新鮮なかれいの上品であっさりした味は格別です。
刺し身に醤油とワサビもいいですが、ポン酢醤油に紅葉おろしとあさつきで食べると、 旨みや微妙な甘さが引き立ちます。
また、「そうはち」や「すながれい」に代表されるように干物が最適なかれいもあります。このように年間通じて数多くのかれいが水揚げされるのが北海道の特徴です。
獲れる種類
北海道に広く分布。
体は長円形で口が大きく、上顎の歯は犬歯状、下顎の歯は円錐状。
表側の体の色は淡褐色で、裏側は白色。
漁獲されると、内出血したように赤くなる。
旬は冬。
刺身、塩焼き、煮付け、干物。
北海道沿岸の水深50~100mの砂泥域に生息。
輪郭は楕円形で、背びれから腹びれまでの最大幅は体長の2分の1ほど。
両目は完全に体の表右側にある。
口が小さく上顎の骨は下眼の前端にまで達する。
産卵期(12月)の前が最も美味。
煮つけ、塩焼き、から揚げ。
日本各地に分布し、水深100mくらいまでの砂泥底に生息。
産卵期は、日本海側で12~翌3月頃、オホーツク海側と道東は5~7月頃。
体にうろこがなく、目がない裏側の体面は完全になめらか。
名前の由来は体の表側の一部に石状の骨板が一列あること。
体の表側は黄褐色で、裏側は純白色。
やや歯ごたえのある白身。特に、背びれと尻びれの付け根の「縁側」が人気。
刺身、寿司ネタ。
北海道の日本海側。
夏に水深30~300mの沿岸域、冬は水深200m以上の海域で産卵。
漢字では大鮃(大きなひらめ)と書くが、両目は体の右側にあるかれい類。
体が細長いが、ひらめ・かれい類の中で最も大きく成長する。(大きいものは全長2m以上、体重200kg以上)
肉は白身で脂肪が少ない。
フライやムニエルなど油を使った洋風の料理。
新鮮なものは刺身や寿司ネタに。
北海道沿岸(特に根室湾、日本海沿岸、網走付近のオホーツク海沿岸)。
水深が100mより浅い砂れき底や汽水域に生息。
産卵期の4月中旬~5月下旬には水深が30mより浅い所に密集。
両目が体の右側にあり、口は小さく左右不相称で肉厚の唇をもつ。
うろこは雌が滑らか、雄は少しざらついている。
身が厚く、煮つけが最適。
新鮮なものは刺身にするとおいしい。
北海道では各地に分布し、水深100mより浅い砂質の海底に生息。
産卵期は、道北の日本海側では5~6月、オホーツク海沿岸では6~7月。
体はひし形で、頭はかれい類のなかではもっとも大きい。
目がある表側は暗褐色で砂粒状の斑点があり、裏側は白色、背と腹の両縁に鮮やかな黄色い帯がある。
かれい類の中では小型で、成長が遅い。
肉はさほど厚くない。
焼き魚、から揚げ、煮付け。
北海道の水深数m~250mの広い範囲に生息。
時期によって成魚と未成魚、雌雄が別々に分布するのが特徴。
産卵期に雌の成魚が岸に寄り、生殖巣が成熟する頃に雄が近づいてきて産卵。
体はひし形に近い長楕円形。
左目は目のない裏側からも見える位置にある。
肉に独特のにおいがあり、干物や燻製などに加工される。
干したものを焼いて食べる「焼きそうはち」は北海道の定番メニュー。
産卵期は2~3月、水深20mより浅い河口域や沼の近くで卵を産む。
小樽の忍路湾で発見されたいしがれいとの雑種は、おしょろがれいと呼ばれる。
目の位置がかれい類の中では逆で体の左側にある。
塩分の変化に耐えて生活できる広塩性。
海に近い河川や湖沼にも生息。名前は沼にもいることに由来。
かわがれいの名で親しまれている。
肉が柔らかい。
刺身、煮つけ。
太平洋沿岸の水深50~400mに多く分布。
産卵場所は北海道では釧路以東海域。
体は長楕円形で肉厚。
目の付いている表側は暗褐色で表面に大小様々な斑点がある
裏側は限りなく白に近いピンク色。
体の表面には粘液が多くヌルヌルしていることから、あわふきやなめたとも呼ばれる。
身が厚く脂がのる冬が旬。
煮付け。冷めてできる煮こごりが、カレイ最高級と称される。
北は千島列島南部から日本海全域と東シナ海東北部まで。
北海道東部太平洋岸では50~700mの水域に生息。
体は楕円形で目が大きく、口は小さい。
体の表面が粘液で覆われ、目がある表側は灰褐色から黄褐色。
その名の通り、背びれや尻びれの縁の辺りが黒くなっている。
薄い身なので、干してから焼く。
冬の時期は煮付けに向く。
一年中水深150m以浅の大陸棚に分布し、砂質あるいは砂泥質の海底に生息。
産卵期は北海道北部で5~6月。
漁場はほぼ全道一円。
最盛期は、オホーツク海が8~12月、宗谷海峡から利尻・礼文島は11~翌3月、日本海では4~6月、えりも岬より西の太平洋では5~7月。
体は楕円形で、体長が背びれから腹びれまでの幅の2倍以上になる。
左右不対称で小さい口が特徴。
体の表側は青みを帯びた黒褐色、裏側は白色、体の半分より後ろの背縁と腹縁に沿って淡黄色の帯がある。
肉質は上質で弾力があり、かれい類の中でも一級品。
春先の子持ちの雌は煮付け。
秋は餌を食べて丸々と太り、新鮮なものを刺身に。
漁場は津軽海峡の木古内湾と函館湾に限られ、一年中漁獲される。
津軽暖流の影響下で水温が比較的高めの3~27℃の水域に生息。
まがれいやくろがしらがれいに似ているが、「両目の間にうろこがあること」「背びれと尻びれに黒色の条紋がないこと」で区別する。
夏に肥え、冬になると体重が減少する。
冬は、卵の重量が増し、子持ちガレイとして美味。
肉厚の白身がカレイ類のなかでも随一。
刺身、煮もの、揚げもの。
主に北海道太平洋沿岸に分布。
3~6月に浅海域で産卵。
かつて「幻の魚」と呼ばれたが、人工種苗による放流で漁獲量は着実に増加中。
体は楕円形で体高が高く、背びれと尻びれに黒色の幅広いしま模様がある。
うろこがはがれにくく、表面が松の皮に似ていることが名前の由来。
栄養
子どもから高齢者までおすすめの白身魚
白身がおいしいかれいは、刺身、寿司、煮付け、焼き物、揚げ物などさまざまな料理に用いられます。また冬のカレイ、特に産卵前の時期のメスは大きな卵をもち、子持ちがれいと呼ばれ、日本の冬の味覚として好まれています。
栄養面では、高たんぱく、低脂肪で、きめの細かい身をしているので消化も良く、子どもや高齢者などにも適した食材です。ビタミンB群やタウリンを多く含み、子持ちがれいでは、ビタミンAの摂取も期待できます。
一般成分 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
エネルギー (Kcal) |
水分(g) | タンパク質 (g) |
脂質(g) | 炭水化物 (g) |
灰分(g) | |
まがれい(生) | 95.0 | 77.8 | 19.6 | 1.3 | 0.1 | 1.2 |
まこがれい(生) | 99.0 | 77.6 | 19.6 | 1.8 | 0.1 | 1.1 |
子持ちがれい(生) | 143.0 | 72.7 | 19.9 | 6.2 | 0.1 | 1.1 |
干しかれい | 117.0 | 74.6 | 20.2 | 3.4 | 0.1 | 1.8 |
「五訂日本食品標準成分表」より