秋鮭・いくらの
“加工品いろいろ”
加工用途のひろい秋鮭は、生鮭、新巻鮭、フレークやトバなどいろいろ。
そのうえ、同じような商品でも鮭の種類や漁獲時期・加工方法で味や価格が違うので、
料理にあった秋鮭選びで、おいしい鮭料理に挑戦しましょう。


生秋鮭

銀色に輝き、あぶらののった魚をお届け
「獲れたての鮭をまるごと一尾」とは産地でなければなかなか難しいものです。多くは水揚げしたばかりの秋鮭を産地で三枚おろしにして全国に発送。店頭では切身パックやブロックなどで販売されています。北海道で水揚げされてから、一度も冷凍されず生鮮のまま流通するのは、9~10月頃だけ。まさに旬の味覚です。
鮭は海で生活している時期は肌が銀色に輝き、身全体に脂がのることから、「銀毛」とよばれています。鮭は川に上る準備が進むにつれて肌に模様が現れ、「鮭の鼻曲がり」といわれるように、オスの鮭は顔つきが勇ましくなます。このように川にのぼる準備がはじまった鮭をブナとよんでいます。
ブナ鮭では、卵や白子に栄養が蓄えられていますので、身の脂ののりが少なくなります。鮭のふっくらした食感を味わう料理を召し上がるのであれば、肌が銀色に輝き、ハラスの厚いものを選んで購入しましょう。ブナ鮭は、脂は少ないものの、タンパク質などの栄養素は豊富に含まれています。逆に脂が少ない分、タンパク質を熟成させてうまみを引き出す料理や加工方法では、脂焼け(鮭のあぶらが酸化して風味が変わってしまうこと)をおこさず、美味しい料理ができます。


塩秋鮭

秋鮭と塩の相性はバツグン!
鮭は塩との相性がとてもよく、塩で漬け込むことによりうまみが引き出され、大変美味しくなります。古来、鮭の保存性を良くするため、内臓を取り除いた鮭に塩をまぶし、山のように漬け込む「山漬」といわれる製法などで新巻鮭がつくられてきました。現在は、甘口新巻鮭や定塩熟成鮭など消費者の嗜好に合わせ塩加減を調整した製品などがあります。
山漬

山漬は昔ながらの塩秋鮭の製法です。鮭を塩漬けにする間に、秋鮭のタンパク質がうまみ成分のアミノ酸によって分解され、熟成します。 また、山漬で熟成させた新巻鮭を一度塩抜きし、寒風にあてて水分を飛ばしてうま味を凝縮する「寒風干し」も作られています。手間と時間をかけ熟成させた新巻鮭は、秋鮭本来のうま味が味わえます。
甘口新巻鮭

昨今の健康志向の高まりや味覚の変化により、消費者の皆さんにあまり塩辛くない鮭が好まれるようになりました。そこで、新鮮な秋鮭から内臓を取り除き、かるく塩を振った甘塩で流通させる「甘口新巻鮭」も多く生産されています。甘口新巻鮭は、そのまま焼いて食べてもよし、石狩鍋やフライに使うと生秋鮭とは違ったコクと食感が楽しめます。
定塩熟成鮭
切り身のどの部分を食べても塩分が均一に、「定塩」になるように仕上げる製法が定塩熟成鮭です。辛すぎない程よい塩分の塩水に一定時間漬け込み、じっくりと旨みを引き出した逸品です。
いくら醤油漬け

ご家庭でも簡単に作ることができるいくらの醤油漬け。生筋子をほぐし、醤油や酒、みりんなどと合わせた漬け汁に漬けて作ります。口に入れた瞬間、プチプチの食感が味わえ噛んで粒がプチっと弾けると、口の中に広がる濃厚なうま味。それは、醤油漬けだからこそ味わえるおいしさです。
塩いくら

塩だけで漬けこんだ塩いくらは、一口食べてみると、いくら本来の甘みが強く感じられ、卵の旨みとコクがとろけるような味わいがあります。ご飯にのせても、大根おろしと合わせてもおいしくいただけます。