

6月からが美味しさのピークをむかえるといううに。日本海沿岸の他産地よりも早い時期に漁の解禁となり、夏のうに漁で活気づいている忍路(おしょろ)港を訪れました。
日本海岸沿いの国道から脇道に入り、坂を下るとちいさな湾がみえる。
おだやかで深いみどり色の海を、初夏の太陽の日差しが照らしている忍路港。港から覗き込んだ海底には昆布と海藻がゆらゆらと波打をうち、隙間からはしっかりとうにが見えて、おもわず身をのりだしてしまいそうになる。海底にあるうにに手がとどくと思うほどの透明度は、忍路港の地形が波の影響をうけにくいから。
忍路港の漁師は21人、小舟に一人で乗り込みそれぞれお気に入りの漁場へむかう。早朝6時から9時までと決められている漁は、いわゆる個人戦。船上から専用のめがねで海底のうにをさがし、「ヤス」「たも」という長い棒の道具をつかい、引っ掛けてひとつひとつ丁寧に獲っている。のぞき込む姿勢はかなり深く、ちょっとでもバランスを崩すと転覆してしまいそうだが、そこはさすが漁師。安定して舵をとりながら、簡単そうにうにを獲っていた。実際にはかなり難しいと思うが・・・。
漁の時間が終わると一隻、一隻と船が港に戻ってくる。ムラサキウニのみを獲ってくる船。バフンウニとムラサキウニの2種類を均等に獲っている船。漁師によってさまざま。獲るウニの種類は各自自由なので好みに分かれるようだ。
戻ってきた漁師たち数名が大声で今日の漁場や水揚げの状況を報告しあっている。時化が続き4日ぶりの漁でお互いの状況が気になっているのか、その日獲れたうにをのぞきあっていた。
忍路のうには美味い昆布を食べているから最高だ!といって、パカッと二つに割り海水で豪快に洗って差し出してくれたうには、濃厚な甘みと磯の香りがほのかにし、あっというまに口の中でとけていった。