

産卵期の禁漁期間が終わり、これからの時期が美味しくなるというほっき貝。水揚げ量日本一を誇る苫小牧港を訪れました。
東西に広く海に接している苫小牧の港は西港区と東港区にわかれている。苫小牧漁協市場が位置する西港区では5トン以下の小型船20隻でほっき漁を行い、基本的には一隻に二人の漁師さんが乗り込む。ほっき漁の特徴としては、「マンガン」という道具をつかう噴流式桁網。マンガンは幅が1mほどあり、数十個の赤いノズルから海水を噴射して海底を巻き上げ、さらに爪でほっき貝を掘り起こしていく。
夜が明けてから始まる漁は約1時間。港に戻るころ船には朝日が差込み、コンテナいっぱいに獲ったばかりのほっき貝を照らしている。今時期は朝7時頃から漁を終えた船が続々と港に戻り始め、船上からほっき貝の入ったコンテナを手際よく下ろしきれいに積み上げ、フォークリフトで港にある市場に運ばれていく。かかる時間は10分ほど。あっという間に作業は終わり、漁船は浮き桟橋に停泊して、その日の漁は終了する。
水揚されたほっき貝を手に取りながら「苫小牧は9cm以下のほっきは資源保護のため海に戻しているから、市場に出荷されるまでに育つには約6~7年以上かかるよ。これなんかは20年経っているな」と言って漁師さんが差し出してくれたほっき貝は10cm以上ありずっしり重い。ほっき貝を剥いたことがないと言うと「簡単だから覚えていきな!」と目の前で貝にナイフをいれて二か所の貝柱をとって身をとってくれた。砂を洗い流しその場で食べさせてくれたほっき貝は、全く臭みがなくて味が濃く甘みがあり贅沢な味。美味しすぎる。苫小牧港を訪れたのは8月下旬の夏の終り時期。ほっき貝はこれからの季節から、身がつき始めて旬をむかえると教えてくれた。