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初冬の寒さとともに始まる すけとうだら漁
初冬の寒さとともに始まる すけとうだら漁
海と山にかこまれた道南の乙部町。訪れた前日は北海道全域が大時化だったので漁の出港は難しいかもと思っていたが、昨日とは打って変わり波のない穏やかな海で、乙部漁港の漁船全13隻は、すけとうだらの延縄漁に出港していた。

すけとうだらは寒くなり始める11月から1月に、乙部と熊石の間にある産卵場所に戻ってくる。延縄漁はこの限られた冬の期間の漁とされている。乙部漁港は他に豊浜・熊石の3地域で爾志海区と呼ばれ、約30隻の船団が協力しながらすけとうだらの延縄漁をおこなっていた。
漁に出るかどうかは爾志海区の各船団長3人がその日の天候をみて判断。ほかにも、どこの海域で漁をするか、どのように各漁船の配置をするかを話し合って決めている。乙部の船団長は毎朝、漁港のみえる高台の宮の森公園に行き、ある岩のちかくにたつ波をみてその日の海の様子を予想するというのだから、天気予報よりもよっぽど当たるのだろう。「今朝の早い時間は微妙な天気だったけど、俺はいけると思った!」と断言する船団長の漁師の海をみる力はすごい。昨日の大時化が考えられないほど、今日の海は波のないおだやかな一日となったのだった。
延縄漁は50mほどの縄に100本の針をつけて釣り上げるので、底引や刺網漁法とは違い魚の体に傷がつきづらく、魚にとってストレスがないのが特徴。その日は朝4時に出港し11時ごろになると次々と漁船が戻ってきた。お昼頃水揚げされたすけとうだらは2時には入札され、すぐに加工所でタラコとなる卵を取り出し、鮮度のよい状態で加工されて「釣り子タラコ」として販売されている。
ここ数年はすけとうだらの水揚げ量が減っているが、今年は去年の2倍以上のペースで獲れているらしく、漁から戻った船の中にはたくさんのすけとうだらがみえていた。今年獲れるのは2006年級群といわれる6年前に生まれたすけとうだらで約40cmから45cm。11月はまだ卵は少し小ぶりだが12月10日頃からは大きくなり立派なタラコがとれると教えてくれた。これから本格的な冬の寒さが始まるのと同時にすけとうだらの延縄漁も最盛期となってくる。

  • <白亜の断崖をバックに帰港> 漁港から見える「館の岬(たてのさき)」の別名は東洋のグランドキャニオン。 漁師さんはそんな呼び名は知らない!と言っていましたが、実際見ると圧巻です。
  • <選別後の水揚げ> 漁港にもどってきた船からは水揚げされるすけとうだらは、ポリパンと呼ばれるプラスチックの箱に雄雌で選別されています。
  • <釣り子すけとうだら> 乙部で獲れるすけとうだらは針と縄で釣り上げられているので鮮度が抜群! 体の色が濃く艶があって、透明感があるのが新鮮な証拠です。
  • <平等な水揚げ> 戻ってきた船から水揚げされたすけとうだらは一か所にまとめられて、 船の大きさによって、それぞれの漁師に平等に分けられます。
  • <港での検査> 次々と水揚されたすけとうだらのなかからランダムに選んで、卵を取り出している。 卵の検査のために毎回行う作業。
  • <漁の必需品> 翌日の準備は漁師の奥さんの仕事。漁で使う縄についている100本の針に餌のイカやサンマをつけていく。縄は80~100枚あるが早い人は1枚約6分で付け終わる。
  • <高台にある宮の森公園> 漁港と海を見渡せる高台の公園から、その日の海の様子をチェックする船団長。 毎朝ここでコーヒーを飲みながら出港するかどうかを決めている。
  • <漁協の直売所> 漁港の目の前にある直売所にはすけとうだらが豪快に売られている。 生のすけとうだらの骨からでる旨みは格別なので、鍋がおすすめと教えてもらった。
  • <切り屋と呼ばれる加工所> 水揚された夕方には加工場にはこばれてタラコの原料となる卵を取り出す。 この日のすけとうだらは約20トン。20名で取りかかっても6時間の作業。
  • <オリジナルステッカー> 乙部のすけとうだらは鮮度がよいので、遠い韓国でも好評。 輸出用のステッカーは今年リニューアル予定です。