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浜通信ひと・くらし

復活を待ちわびる にしん漁
復活を待ちわびる にしん漁
明治から昭和初期までの約40年間、にしん漁で栄えていた増毛港。その後にしん漁は衰退していたが、姿を消したにしんが数年前から日本海に戻ってきている。再び豊漁となり、にしん漁の復活に期待が高まる増毛港を訪れました。

札幌から車で約2時間。日本海岸沿いの231号線を北上すると街並みに変化がみえてくる。明治時代ににしん漁で栄えた増毛町では、今でも古い木造建築が多く残っているのだ。歴史ある建物を通り抜けると見えてくる増毛港。
1月の下旬、漁師さんの仕事は船周辺の除雪から始まる。午前7時ごろ海が明るくなるのを待ち出港するにしん漁は、刺し網漁といって魚が通過する場所を遮断するように網を張り、その網目ににしんの頭部をひっかけるのが特徴。昨日の昼に仕掛けた網には、目印になるボンデン(浮標)をつけている。旗の種類や色によって誰の網かが分かるようになっているのだ。その日、網にかかったにしんは大きくてまるでマスの様!船上のドラムに巻き上げられて網ごと籠に入れられていく。
今日が今年最初のヒットだ!!と漁師の平館さんはニッコリ。にしん漁の解禁日1/15から、どの船もまだまとまった水揚げがなかったという。今日の漁の様子を知った他の漁師さんたちが、次々と網を仕掛けるため船を出し始めた。増毛ではにしんの群れがとどまるのは2日ほどしかないので、また別の群れが来るのを待たなくてはいけないからだという。平館さんの船が網を引き揚げ港に戻ると、すぐに出面(でめん)さんと呼ばれる陸仕事担当の女性たちの手で、網からにしんが外され雄と雌に分けられて出荷されていく。水揚げされたにしんは脂がのっていて、数の子になる卵は黄色いダイアと呼ばれるほどの高級品。ウロコが朝日に反射して七色に光るにしん漁は1月から3月までが全盛期となり、かつてのようなにしん大漁の復活に期待が高まっている。
他にも今の季節は甘えび、かれい、たこ、たら、かじかなどが水揚げされる増毛港。きっと暑寒別岳が作り出すミネラル豊富の水が影響して水産資源に恵まれているのだろう。

  • <暑寒別岳をバックに始まる漁> 海が明るくなった午前7時出港、今時期は暑寒別岳の山麓がくっきりと見える。
  • <海の上の目印> 自分の仕掛けた網の目印になる浮標をボンデンといい、船によって特徴が違う。 平館さんのボンデンは青い旗が目印。
  • <引き上げた網の中には> 網にからまるにしんたちが次々とドラムに巻き上げられる。 そのなかにはにしんの他に、たこやかじかなど他の魚が網にかかることもある。
  • <漁師の天敵> 網にかかったまま籠にいれられて、水揚げされるにしん。 この日は網の中にアザラシがいたので、にしん数匹が食べられていたらしい。
  • <出面さんのお仕事> 水揚されたにしんは一匹ずつ手作業で網からはずされて、雄雌に分けられる。 この日のにしんは大きく、網から外すのが大変そうだ。
  • <にしんの卵といえば> 新鮮なにしんの卵からできる数の子は絶品だ!と漁師のお母さん。 見せてくれたにしんのお腹から卵が!!
  • <明日に備えて> 網からにしんを取る作業を行う隣で、明日の漁のための網の準備。
  • <にしん親子そば> 増毛港の近くの大正からある大衆食堂「志満川」では、甘露煮のにしんと数の子の親子そばを味わえる。
  • <増毛港近くの港町市場> 港町市場には加工所も併設され、水揚されたばかりの新鮮な魚介類だけではなく、加工品も直接買うことができる。
  • <現在の増毛の特産物> 夕方から水揚げされた甘えびは、色鮮やかで身が透きとおっている。 その場で食べさせてもらった獲れたての甘えびは食感がプリップリ。