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浜通信ひと・くらし

朝霧の中の昆布漁

出漁できる条件はふたつ! 波がおだやかなこと。もうひとつはカラッとした晴天の日であることが重要。今年は7月と8月で12日しか出漁できなかった。 訪れたのは秋風を感じる9月上旬。朝日が昇りはじめ、一斉に船が出港していった。
曇りでも海が荒れていなければいいのでは?漁師さんに聞くと「昆布漁は海の作業だけじゃなくて、干す作業もセットだからな」そう言って採ってきたばかりの艶のある真っ黒な昆布を、クレーンで船からトラックへ移動させる。そこから始まった昆布を干す作業は、想像した以上に手間がかかるものだった。
漁港から山への登り坂。荷台からあふれ落ちそうな昆布を載せたトラックは砂利干場(かんば)へ到着。ここからは家族全員での作業だ。トラック2台分の昆布と100m以上ある砂利干場。70代のおばあちゃんや子供を背中にのせたお母さん。夜明けの漁から休んでいない漁師さんたちが昆布を干す姿を見ていると、おもわず「手伝います」と言いたくなる。9月に入り秋風の心地よいお天気だったが、長い昆布を引っ張るだけでもかなりの重労働になる。昆布森で採れる長昆布は世界で最も長くなる品種で平均約10m以上あり、長いものだと20mあるからだ。さらに重なるとくっついてしまうので一枚ずつ、丁寧に丁寧に広げていく。作業をはじめて約2~3時間。干し終えたころにはあたり一面が黒いじゅうたんをしいたようになり、ふわっと風が吹くたびに磯の香りを感じた。
昆布は噛み続けていくとトロッとした粘りと旨みが出てきて、ただそれだけで美味しい。しかし最近では日本人の昆布離れが進んでいて、とても残念だと漁師のお母さん。長昆布は繊維質が柔らかく煮込みやすいので、とても調理が簡単だと教えてもらった。若い人にもっと食べてもらうために、昆布森漁協の女性部ではレシピ開発や、お料理教室を開催している。
そんなお母さんのイチオシは今時期獲れる秋鮭を使った昆布巻き。脂がのった秋鮭と柔らかい長昆布の組み合わせはやみつきになる味わいだ。

  • <いざ出漁!> 昆布森地区には、昆布森・老者舞・仙鳳趾の3か所の漁港があり、その日の出漁が決まると約200席の船が各漁港から一斉にスタートする。
  • <漁開始5分前> 5時半ピッタリに漁を始めるため、その日の漁場でセッティング。 昆布が豊富な漁場には、たくさんの船が集まってくる。
  • <船が傾くほどの力仕事> 5~6mの棒状の鉤(かぎ)を使い、先端の金具を昆布にひっかけすくい上げる。 ベテラン漁師さんでも、漁が終わると腕がしびれるほど。
  • <一隻の船に乗れるのは3名まで> たくさんの昆布をのせた重みで船はでズッシリ。 決められた時間は取り放題だと漁師さんはニッコリ。
  • <クレーン移動> 採った昆布をトラックへ移動。水揚げされた昆布はずっしりと重みがある。 秋になり昆布漁は終盤を迎えている。
  • <昆布の根> 海中の岩場に根付いている昆布を採るには、かなりの力がいる。 ほとんど見えない海底からすくい上げる漁師の業はすごい!
  • <果てしない作業> 砂利が敷き詰められた干場では、家族総出で昆布を敷き、広げでいく。 簡単そうにみえるが、かさならないようにする作業はかなり難しい。
  • <昆布のじゅうたん> 日干しされ乾き始めた昆布からは、やさしい磯の香りがする。 ベテランおばちゃんの慣れた手つきがカッコイイ!
  • <昆布カット台へ> しっかりと干した昆布は丁寧に揃えて、専用の木枠の台へ。 1m5cm幅と決められ大きさに切断されていきます。
  • <もりもり昆布> 落ちそうで落ちない昆布。これでも最盛期の2/3。 倉庫に運ばれて、大きさ、重量、色つやで等級別に選定していく。