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知床 羅臼漁港 春の流氷明けをむかえる 羅臼のウニ漁
春の流氷明けをむかえる 羅臼のウニ漁
長い冬が終り春を感じ始めていた知床羅臼に、真っ白な流氷が戻っていた。漁港湾内をびっしりと大きな流氷が覆い尽くしている3月末。海からの冷たい風と山からの温かい空気が混ざり合って発生した霧が、羅臼の町全体をぼんやりと包んでいる。霧が晴れた日にはここでしか見ることのできない、国後島と流氷をバックにしたウニ漁の風景がある。羅臼の春の風物詩だ。

流氷の影響で休漁と聞きがっかりしていると、「そんな都合よく漁はないよ!」と漁師さんのひとこと。ウニ漁は漁場につくと箱メガネで海中をのぞき、足で櫂[カイ]を操りながらウニを探す。小さい船なので少しでも時化ていたり、雨の後で海が濁ったりしていると出漁はしない。まして1月から始まる漁期は流氷とのにらめっこ。風で流氷が沖に流される合間をぬって漁に出ていく。
今年出漁したのは1月から3月末までで、たったの27日。これでも例年に比べると多い方だという。漁のない日が一週間続くこともある。「限られた期間だからこそ、いかにぎっしりと実が詰まっていて美味しいウニをとるかが大切」20年以上の経験をもつベテラン漁師四ツ屋さんが教えてくれた。狙いは3年草の昆布を食べているウニ。殻の外からは実入りは分からないが、ウニは食べているものがそのまま実に影響するので、育っている場所の昆布をみて判断するのだ。3年草の昆布を食べているウニの殻を開くと、トロッとした昆布のねばりがそのまま実となり、雑味がなく濃厚な甘さがあるという。四ツ屋さんのウニは味や形などの品質がよいと、仲買人さんたちの評価は高い。
そんな四ツ屋さんのおすすめは”ピンク”と呼ばれるウニ。見せてくれたのは色分けされ、きれいに並べられた折だった。鮮やかな黄色からオレンジがかった赤っぽいエゾバフンウニが折ごとのグラデーションとなり芸術品のように美しく並べられている。ウニを大きく区別すると黄色系と赤系。黄色系はとろけるような食感で、赤系は濃厚な味わい。そのなかでも色の濃さによって分けられているのだ。赤系のピンクは濃厚さとやさしい食感を持ち合わせた、赤と黄の好いとこ取りなのだろう。実際に市場で高値が付くのもピンクのウニ。地元のお寿司屋さんでカウンターに並んでいた折もそうだ。なるほどと納得しながら食べたウニは、濃厚で口の中でトロッととけていった。

  • <漁港を望む展望台> 天気が良ければ漁港の向こう側にハッキリと見える国後島。 根室海峡は浅瀬から深瀬があり、たくさんの魚が育つ海の宝庫です。
  • <もどってきた流氷> 南からの風にのって羅臼漁港の湾内まで入り込んだ流氷。 逆向きの風が吹いて、自然と流れていくのを待つしかないそうです。
  • <ウニのグラデーション> 羅臼で獲れるウニは全て高級品と呼ばれるエゾバフンウニ。 黄色系がオスで、赤系がメス。その中でも細かく色分けされてます。
  • <漁師さんの必需品> 資源保護のため、冬の羅臼では5.3センチ以下のウニは獲らない決まりがある。 この枠をすりぬけるウニは海に戻されていくのだ。
  • <出荷を待つウニ折> 水揚したウニを折に詰めるまでが漁師さんの仕事。 殻から取り出しピンセットでごみをとり、色ごとにていねいに並べていきます。
  • <もうひとつの出荷方法> 出荷方法は「折ウニ」か「塩水ウニ」の2つ。塩水ウニは殻を剥いて そのまま塩水につけているので、ほんのり磯の風味が楽しめます。
  • <3月最後のセリ> 2日前に水揚げしたウニのセリが始まった。この日は「折ウニ」が630枚、「塩水ウニ」が210枚でいつもの約1/3だという。
  • <ウニ種苗センター> 採卵して約10か月で5ミリほどの大きさに育て、6月に放流する。 小さくてもウニのトゲトゲがしっかりとあって、かわいらしい。
  • <羅臼漁組の直売所> ウニはもちろん、獲れたての魚介類や羅臼産の加工品などで品揃え豊富。 お店の人に商品の説明を聞きながら、羅臼のお土産を選ぶのにお勧めです。
  • <地元お寿司屋さんのおすすめ> この時期はなんといってもウニ!ギュッと旨みと実がしまっているウニを味わえるのは寒い季節だからこそ。 羅臼のこれからの季節はホッケ、キンキ、ツブなども出始める。