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稚内 宗谷港 春の空に舞う 宗谷のタコいさり漁
春の空に舞う 宗谷のタコいさり漁
ミズダコの水揚げ量日本一を誇る宗谷。日本最北端の宗谷港では長い冬が終わり、春の訪れと共に始まったタコいさり漁で活気づいていた。港に着いてまず目に飛び込んできたのは、海水を飛ばしながら空を舞っているタコだった。漁から戻った漁師さんが船上から勢いよく港へ、タコを放り投げて水揚げしているのだ。豪快な水揚げには、鮮度を大切にしているタコ漁ならではの理由があると漁師さんが教えてくれた。

タコは鮮度が命。活きたまま港に運ぶため、船には必ず水槽が付いている。張り付くと剥がすのにかなり厄介なタコの吸盤。元気がいいタコだからこそ、吸盤が張りつかないように気をつけて船から放り投げているそうだ。なかには水槽の屋根にベッタリと張り付いてしまい、どうやっても取れないと苦笑いしている漁師さんもいた。宗谷港は4月から始まったタコいさり漁で漁船が行きかい、賑わいを見せている。
タコいさり漁とは、熊手のような仕掛けの「いさり」を浮きとなる樽につなぎ海に流してゆく。タコがいさりにかかり、グッと沈んだ浮きを合図に引き揚げる方法だ。潮の流れと漁場をきちんと把握したうえで仕掛けを流さなくてはいけないため、漁師さんの経験と技術が重要となる。タコ漁の大きな決まりはたった2つ。最終帰港時間といさりの数が20個まで。出港して3,4時間ほどで戻ってくる船もあれば、夕方ギリギリまで操業している船もある。漁師さんの腕次第なので、水揚げの量はかなりバラバラ。タコ漁の漁師さんは個人プレーヤーなのだ。
夜明けに出港した船が7時ごろから一隻、また一隻と港に戻ってきた。「よっこいしょ」と漁師さんの掛け声が聞こえてきそうな、大きなタコが次から次へと飛んでくる。2.5kg以下だと海に戻さなくてはいけないので、どのタコもゴロッと大きい。「宗谷の海は流れが速いので、ここで獲れるタコは身が引き締まって活きがいいぞ」と漁師さんのお墨付き。そんな話を聞いてふと水槽を見てみると、吸盤を使いニョロニョロと逃げだしたタコを発見。脱走するタコはよくいるようだ。タコってこんなに動くのだと感心していると、漁師さんが獲りたてのタコを鉄板で焼いて差し出してくれた。塩こしょうでサッと味付けされたタコは、驚くほど甘くプリップリの歯ごたえがありながらも、簡単に噛み切れる柔らかさ。活きたまま水揚げされたからこその食感と味わいだった。

  • <空飛ぶタコ> 船の水槽から取り出され、一匹ずつ港に放り投げ水揚げされていくタコ。 海水を含んだタコは重く、漁師さんによっては投げる作業が一番疲れるそうです。
  • <元気なミズダコ> 4月から始まったタコの漁期は長く12月まで続く。 春は30隻ほどだが、ピークの秋には90隻以上のタコ漁の船で賑わいます。
  • <タコ逃走中> 大きなタンクから逃げ出した元気なミズダコ。 活きの良さが証明されたが、このあとすぐに連れ戻されていました。
  • <タコ漁のいさり> 仕掛けの「いさり」には漁師さん各自のオリジナルのアレンジがされてます。 この仕掛けによって漁の結果が大きく変わってくるそうです。
  • <水揚げから加工場へ直送> 作業台のフックにタコを引っかけて、頭と足4本ずつに手際よく捌かれていきます。 1匹の処理に約1分弱。無駄な動きが全くありません。
  • <茹でる前の下処理> ドラムで塩もみをした後に熱湯で茹で始めます。 大量に見ると少しグロテスクですが、茹でたタコの頭は味も食感も絶品です。
  • <タコのくち> 通な人は知っている、別名「たことんび」。 ちょっと食べづらいけど、コリコリとした食感で噛めば噛むほど旨みを味わえます。
  • <タコの七変化> 約100℃の熱湯がたっぷり入った釜で、ぐつぐつと茹でると変化するタコの色。 最初の1,2分で紫色になり、数分後に真っ赤な茹でタコが完成。
  • <タコのカーテン> 茹でたタコは直ぐに外で干されます。タコ頭は別名ボッチと呼ばれ、 弾力のある食感と旨みたっぷりで、漁師さんのイチオシです。