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オホーツク 常呂港 流氷下で育て、夏に旬を迎える 常呂のほたて漁
オホーツク 常呂港 流氷下で育て、夏に旬を迎える 常呂のほたて漁
初夏のオホーツク海。数カ月前まで真っ白な流氷に埋めつくされていた海は、海面が鏡のように静かで穏やかになっていた。心地よい日差しと涼風を感じる7月、常呂ではほたて漁が最盛期を迎えている。海産物の宝庫と呼ばれるオホーツク。ほたての他にも1年を通して毛ガニ、カキ、ホッキ、鮭なども獲れるが「この時期に常呂に来たなら、まずはほたてを食べなさい! 」と地元の人は口を揃えて言う。冬に海を覆っていた流氷がほたてを美味しく育てていると教えてくれた。

真冬にオホーツク海を埋め尽くす大きな流氷。厚い蓋となって海中のほたてを時化から守りながら、運んできたプランクトンで栄養たっぷりの海へと変えていく。そんな海の中、寒さで身がひきしまりながらも大きく成長していくオホーツクのほたて。
お刺身で食べるのを勧められ、まずはそのまま一口。驚くほどの濃厚な味わいだ! ほたては夏になるとうまみを蓄積していくのだ。冬の寒さでつくられた引き締まったプリプリの食感と、夏の旨みがギュッと詰まったほたて。冬と夏の良いところを味わえるからこそ、ほたての旬は夏なのだ。そのほたての資源を絶やさないために、常呂の漁師さんには果たさなくてはいけない義務がある。それが毎年1人200万粒の稚貝放流だ。サロマ湖で稚貝を約1年かけて4cmほどに育て、その後オホーツク海へ。漁場を4つの海区に分けて1年ずつ放流し、じっくり育て4年目に漁獲している。なによりも「育てる漁業」を大切にしているのだ。
ほたて漁は昔から変わらず「八尺」と呼ばれる大きな網を使っている。網の先に熊手のような爪が付いた「八尺」を使い、海底からほたてを掘り起こしていく桁網引き漁法。大きな「八尺」をみると豪快な作業だと想像できる。
常呂港を訪れてまず目に留まるのは、大きな網に入ったほたてがクレーンで運ばれている風景だ。帰港した漁船には甲板にあふれるほど積み重なった大量のほたてたち。ザザザザッとほたて同士がぶつかり合い音を立てながら、見上げるほど高く持ち上げられ、トラックの荷台へと運びこまれている。何度も繰り返しているクレーン作業は迫力があり、釘づけになってしまうほどだ。一体ほたて何個分だろうと思い尋ねてみると、「漁船一隻で約25トンの水揚げだな。クレーンで持ち上げているのは一回だいたい1~2トンぐらいかな。」とダイナミックな回答。常呂ではほたて漁船13隻で1日なんと約330トンのほたてを水揚げしている。1キロで約5~6個のほたてだから、330トンで約200万個?!! とにかくすごい量だ!
豪快なほたて漁に驚きながら、豊富な資源は稚貝放流を大切にしている漁師さんたちの「育てる漁業」があるからだと感じさせられた。豊かな海と上手に共存するための努力をし続けているのだ。

  • <ほたて漁船の帰港> 夜明けに出港した漁船が、クレーンにほたてを吊り下げながら戻ってくる。 たくさんのほたてが港から見えるほど大漁だ。
  • <約25トンのほたて> 甲板には選別作業を終えて、きれいにほたてが積み重なっている。 割れたほたてや混獲される他の魚などは海の上ですでに選別済み。
  • <クレーンでの水揚げ> 6月から始まった本操業。今年の漁場の状態はよく順調なスタートだ。 モッコと呼ばれる大きな網で吊り上げ、トラックへと運ばれる。
  • <ほたての目??> ミミについている黒い点々は実はほたての目! 網膜やレンズがしっかりとあり、海の中で外敵を見つけて身を守っているそうです。
  • <トラックの荷台へ> クレーンで移されたトラックの荷台もすぐにほたてでいっぱいに。 むき身、冷凍貝柱、乾貝柱などそれぞれの加工場へと運ばれていく。
  • <八尺と呼ばれる桁網> 昔ながら使われている八尺。 爪の部分をS字にし、スナップが効くようにして、ほたても海も傷つけないように改良されています。
  • <豪快な準備> ほたての水揚げが終わるとすぐに明日の準備が始まります。 八尺の設置はクレーンを使いながら漁師さん4人がかりです。
  • <乾貝柱加工場> スチームで蒸して殻からはずしたほたては、ミミとウロを貝柱から取り外すのは手作業。そのスピードは約2,3秒!
  • <時間をかけた美味しさ> 一気に乾燥させるとひび割れや変色を起こしてしまうので、 時間をかけ、何度も乾燥機にいれて約40日。旨みが凝縮されています。
  • <帆立づくし定食> 地元の人おすすめの定食はほたて三昧。 お刺身、フライ、佃煮、塩茹でなどほたての魅力が一気に味わえます。