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厚岸港 秋の味覚を追いかける 厚岸のさんま漁
秋の味覚を追いかける 厚岸のさんま漁
9月上旬、厚岸の人たちが心待ちにしていたさんま漁が始まり、港は活気づいていた。「この時期は栄養をたっぷりと蓄え、丸々と太っているからお刺身でも塩焼きでもとにかく絶品だよ」 地元の人に教えてもらい、口にしたお刺身におもわず舌つづみ!脂がのりトロッとして、食感はプリプリしている。さらに驚いたのがシンプルな塩焼き。身はジューシーで、噛むほどに旨みが増してくる。秋の厚岸では旬のさんまを味わうことができる。

初秋をむかえて本格的に始まったさんま漁。実はこの季節の漁場は厚岸沖ではない。群れは厚岸からまだまだ遠い北東側の根室東海域にあり、これから寒くなるにつれて徐々に南下してくる。群れがいる漁場までは片道約36時間。一晩かけて漁を行い、再び港に戻ってくるまでに、5日もかかるのだ。漁師さんにとって揺れる波の上での生活が続く。
長距離の移動後、漁場に着いてからが漁師さんにとっていよいよ本番。さんま漁は「棒受け網漁業」といって真っ暗な夜間一晩中行われる。まずは船の右側にだけライトをつけて群れをおびき寄せ、光に近寄ってきたところで灯りを消す。そして、すかさず逆の左側を明るくし大きな網へとおびき寄せる。光に群がる習性を利用して、網に誘導する仕組みだ。船に揚げたさんまは砕いた氷と一緒にして船底のタンクへ。用意された氷約10トンによって鮮度を落とすことはない。鮮度を保ちつつ、再び36時間かけて港へと戻ってくるのだ。
夜の厚岸港には、漁を終えた船が帰港していた。数時間後に始まる早朝の水揚げまでの時間が、漁師さんにとってほんのわずかな休息時間となる。朝焼けでうっすらと明るくなると、「ピーーーッ!」と笛が鳴り響いた。水揚げが始まった合図だ。朝7時からのセリ直前に船から水揚げすることで、活きのいいさんまを出荷する。8名の漁師さんが一斉に動き出す。タモと呼ばれる先に網のついた長い棒を使い、船底からさんまをすくい揚げる。一回の量はなんと100キロ以上。船のクレーンで引き揚げた網からは解けた氷水がザザザッとすり抜け、陸で待つ1tコンテナへとさんまを運んでいく。ピッタリと息の合った呼吸で、約30tもの水揚げが1時間もかからず終了した。漁師さんの手際の良さと大量の氷で冷やされていたことで、鮮度はとても良さそうだ。そして驚くことに、水揚が終わると燃料と氷を補充してすぐに出港。秋の味覚の王様と呼ばれるさんまを全国のお客様に届けるために、今日も漁師さんは休む時間を惜しんで次の漁へとむかう。

  • <厚岸港での水揚げ> 初秋は根室・厚岸・釧路で行われるさんまの水揚げ。 この日の厚岸港では約74tのさんまが出荷されていった。
  • <朝焼けの厚岸港> うっすらと明るくなり、さんまがピンク色に染まる一瞬。 鮮度を大切にするからこそ、早朝のセリ直前に水揚げしている。
  • <水揚げ場所> 漁が本格的となる、秋から初冬にかけては、約30から40隻の漁船が北海道外からも厚岸港へ集まってくる。
  • <さんまの群れを求めて> 水揚が終わると同時に氷と燃料の補充を済ませ、次の漁へ出発。 「今回は片道約30時間」さらっと言う漁師さん。カッコイイ!
  • <さんまのメキキ> くちばしが黄色くて、黒目の周りが濁っていないのが新鮮な証拠。 触ってみると、肉厚で身がひきしまっていて美味しそう。
  • <早朝のセリに向けて> 1tサイズのコンテナが70個以上。 170g以上の大きなさんまがゴロゴロとあり、仲買人さんが厳しい目でチェックしている。
  • <加工場> 選別機によって、各サイズに振り分け4キロ箱へ詰めていく。 箱に入れた後もすぐに氷詰めにしてさんまの鮮度を保っている。
  • <氷の倉庫> 鮮度を保つための必需品。水揚げされてからも常に氷で冷やしています。 美味しいさんまを全国に発送するため、大量の氷はかかせません。
  • <厚岸漁協の直売所エーウロコ> さんまの水揚げが本格的に始まり、地元の人で賑わっている直売所。 旬のさんまは自宅で食べるのはもちろん、贈り物としても大人気!
  • <おすすめは塩焼きとお刺身> 地元ではザク切りのお刺身に一味唐辛子とお醤油で食べるのが一般的。 ピリッとした辛さが、さんまの旨みをグッと引き立たせてくれます。