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美味しさへのこだわり 室蘭の育てるほたて漁
美味しさへのこだわり 室蘭の育てるほたて漁
手のひらからあふれそうなサイズのほたて。殻の片側にある小さな隙間にヘラをいれ、パカッと開いて見えたのはプリプリの厚みある貝柱だった。一般的なものよりも1.5倍はあるだろうか。室蘭港での水揚げ量は全道的には多くはないが、品質には自信がある。

室蘭のほたて養殖は、稚貝を育てるところから始まる。養殖と言っても、人がエサを与える訳ではない。生命力があり、しっかりと成長しそうな稚貝を選別して、室蘭沖の自然環境のなかで2年貝、3年貝へと育てる。栄養たっぷりな海水のなかで育った3年貝はずっしりと重みがあり、美味しさも格別。まさに文句なしのほたてへと成長を遂げるのだ。
一般にはあまり知られていないが、とにかく手間と時間がかかるほたての養殖。まずは春の海中に浮遊する「ラーバ」と呼ばれるほたての赤ちゃんを集める。5センチほどになると貝に穴をあけてロープに付ける耳吊りで本養成を開始。さらに大きくなるとロープからはずし丸籠へ入れ海に吊るす。商品として出荷できるまで約2年から3年。成長に合せて籠に入れる枚数を減らしながらじっくりと育てているが、その間にもこまやかな手入れが必要だ。太平洋と噴火湾にはさまれた養殖場はほたて以外の生き物にとっても恵まれた環境となり、フジツボやムラサキ貝が大量に発生してしまう。ほんの数カ月でほたての口が開かなくなるぐらいに付着し、ほたて自身が栄養を摂れなくなってしまうので掃除はかかせない。気が遠くなりそうな作業。漁師さんにのんびりとする時間はない。
早朝4時にはすでに作業場の灯りがつき仕事は始まっている。市場への出荷準備と、前日に海から引き上げた貝の掃除。籠に入れ替える枚数の調整をし、再び海に吊るすために出港。早朝から夕方まで漁師さんの休んだ姿を見ることはない。効率よく作業を行い、ほたての成長をしっかりと把握することで、他の地域に負けない品質を守っている。
そんな漁師さんの想いにブランド名がつけられたのは2年前。殻長13cm以上の3年貝で見た目の美しい活ほたてを「蘭扇(らんせん)」として販売し始めた。ほたてが美味しくなるのは寒い季節。寒さでギュッと身がしまり、うまみをたっぷりともつ冬の期間だけの出荷となる。既に今年の初出荷分は売り先が決まっていて、蘭扇はまだかと待ちわびている人たちがいる。品質にこだわったからこそ、室蘭産のほたてを指名する人たちがいるのだろう。

  • <AM4:00市場への出荷> 漁師さんの一日は市場へ出荷から始まる。 1箱13kgずつにまとめられて、早朝7時のセリをまつほたてたち。
  • <耳吊りのほたて> 1本に約120から130個のほたてが吊るされている耳吊り。 400mの「桁」と呼ばれる太いロープに約30cm間隔で吊るされている。
  • <操船から水揚げまで> 漁師歴48年になる児玉さんは、海の上での作業を全て一人で行う。 5.1tの船を使いこなし、無駄な動きがなくほたてを海から揚げている。
  • <港に隣接している作業場> 陸作業専門の出面さんは、30年以上の経験をもつベテランさん揃い。 ほたての鮮度を落とさないようにテキパキと作業を行っている。
  • <ほたてのステップアップ> ほたてについたフジツボやゴミをきれいに取り外し、海へ戻す。 耳吊りからはずし丸籠へ入れたほたては2年、3年貝と成長していく。
  • <本日2回目の出港> 丸籠に移したほたてを再び海に吊るすために出港。 翌日の出荷を考えて、引き揚げる分と海に吊るす分は全て計算されている。
  • <ほたてのシャワー> 出荷前の仕上げは海水でしっかりと洗浄。味や大きさだけでなく、 綺麗な見た目も重視する出荷。蘭扇は通常よりも多く2回洗浄します。
  • <稚貝の成長> 約5カ月でこのサイズ。室蘭で育つ稚貝は質が良いと言われ、 今では標津、厚岸、宮城にも室蘭産の稚貝を出荷している。
  • <自慢の貝柱> 厚みたっぷりでコリコリとした食感の貝柱は室蘭産の特徴。 一口で頬張るとあふれそうな大きさです。
  • <室蘭ブランド蘭扇> 12月から約2カ月間のみ販売予定の室蘭産の活ほたて。味はもちろん、 見た目が美しいものを選別しているので贈答用としても人気。