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増毛漁協 増毛の甘えび籠漁
増毛の甘えび籠漁
甘えびの水揚量日本一を誇る北海道の日本海岸地域。海に仕掛けた籠には、甘えびを中心に、ぼたんえびやしまえびも入っている。地元増毛ではどのように食べているかと聞くと「刺身なら甘えび、焼きならぼたんえび、ボイルはしまえび。」とリズムのよい回答。食べたい調理方法でえびを選ぶ、贅沢で羨ましい選択だ。

「甘えびはオスで生まれて、体が大きくなるとメスになり卵を産む」地元の人から聞かされなければ一生知らなかったかもしれない。刺身や寿司で食卓に並ぶことが多い甘えび。親しみがあり、身近な存在だが意外と知らないことが多い食材のようだ。私たちが食べているえびの多くは4、5歳ぐらい。月日をかけてじっくりと育っている。そしてちょうどその年齢はオスからメスに変化する時らしく、甘えびの味そのものを楽しみたいならオス、卵を味わいたいならメスがおすすめだよと教えてくれた。
さらに驚いたのが、えび籠漁がかなりのハードスケジュールだということ。港を訪れた6月上旬、その日の漁師さんの集合時間は深夜の1時だが、前日漁から戻ってきたのは夜10時過ぎだった。帰港後、自宅に戻り一瞬の仮眠をとって再び集まったのが深夜1時。お風呂に入る時間もないよとつぶやく漁師さん。連日の疲労と睡眠不足のせいか、黙々と前日に獲った甘えびの荷揚げが始まった。市場に持ち込んでからは、サイズやオスメスで選別し箱詰めの作業。水揚げの量にもよるが、その日の水揚げはなんと約900kg! 全ての選別が終わったのは約2時間後だった。そして休むことなく漁場へ出港。疲れに加えて、雷と大粒の雨が波を打ち付ける悪天候だが、そんな中でも誰一人弱音を吐くことなく、船は片道約5時間かけて漁場へと向かっていった。おそらく戻りは夜の10時ごろとなるだろう。この調子で今日で3日目と船頭の佐藤さんは言う。私たちが美味しいえびを食べることが出来るのは、海の上で休まず働く漁師さんがいてこそだと改めて感じさせられた。
そんな漁師さんの努力によって、増毛の甘えびの美味しさは北海道全域に広がっている。毎年5月に開催されるえびのお祭りは大盛況! 今年も増毛の甘えびを求めて札幌や旭川から約3万人もの人が訪れた。当日は4トンのえびを準備したが、それでも足りなかったのは、多くの人が美味しさを知って買い求めていったからだろう。

  • <深夜1時の集合> 漁師さんの1日は前日分の荷揚げから始まる。セリが早朝の為、えびの鮮度を落とさないようにギリギリまで船底の水槽で保管している。
  • <暗闇に鮮やかな赤> 鮮やかな朱色の殻をまとう姿が、唐辛子のナンバン色にみえることから、「南蛮えび」とも呼ばれている。船のライトにあたりまさにナンバン色。
  • <夜中の選別作業> 大きさや鮮度によってえびを3kgごとに発泡スチロールに分けていく。この日の水揚げは約900kg。なんと、発泡スチロール300箱!
  • <6月は脱皮の時期> 殻は柔らかくなり水分が抜けやすく、身がほんのりと白っぽくなる。漁師さんは一目で区別がつき、厳しく選別している。
  • <豊富な漁場> 甘えび以外にも、ぼたんえびやしまえびも籠に入る。こちらもびっしりと身が詰まって美味しそう。
  • <漁にかかせない籠> 船一隻で2000個の籠をもち、餌になるスケソウと鰊を仕掛ける。約300個の籠を1本のロープに繋げ海へと投げ込んでいる。
  • <出港にむけて> 深夜のえびの選別が終わると、休む暇もなく出港の準備。荷揚げでおろしたえびの箱を船にもどして、すぐに漁場へと出発。
  • <漁港近くのお寿司屋さん> 獲ったばかりの新鮮なえびは、食感がぷりぷり。この食感は地元で食べるからこそだと地元の人はいう。
  • <甘えびの天丼> 大きな甘えびを2匹あわせた豪華な天丼。サクッとした衣の中には、香りと甘みたっぷりの甘えびが味わえる。