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利尻漁協 鴛泊漁港 口中に広がる幸せな味覚 夏のうに漁
口中に広がる幸せな味覚 夏のうに漁
早朝の沿岸には器用な体勢で漁をする漁師さんの姿。夏の風物詩的なシーンだ。それは、まるで夕焼けのように鮮やかな橙色が目に眩しいガンゼを獲っている姿。利尻昆布が大きくなる初夏、うにも最盛期を迎える。

良質な昆布がおいしいうにを育む
早朝四時半、磯舟が鴛泊港からどんどん出船し、湾内地区に集まった。その数は30隻以上。漁師さん方はみんな箱メガネで海中を覗いている。ガンゼ(ガゼとも。エゾバフンウニ)を探しているようだ。
うには海藻が主食。当然昆布があれば昆布を食べて成長する。なので北海道沿岸で漁獲されるうにの名産地は、昆布の名産地と重複している。良質の昆布が採れるところはうにも美味しく、うにが美味しいところは昆布も良質ということになる。利尻島は最高級昆布と謳われる利尻昆布の生産地だ。沿岸にはびっしりと利尻昆布が繁茂し、黒々としている。そこに生息しているうにとなると、それは言わずもがな美味なることこの上ない。漁師さん方は昆布の根元についていたり、昆布の近くにいるうにを探し、これから漁獲するポイントの目星をつけている。
そして5時半、うに漁の開始許可を告げる旗が上がり、漁師さん方は一斉に柄の長いタモを海中に突き入れた。箱メガネで海底のうにを探しながら片足で櫂をコントロールし、片手でモーターを操縦し、もう一方の手でタモを使ってうにを獲る。とても器用で、とてもきつい体勢だ。観ているだけで足が攣つりそうになる。タモを入れて15分ほど経つと、タモをあげる。すると、タモ網には大きなガンゼが大量に入っている。それを舟上に上げ、再びタモを突き入れる。この作業を繰り返すこと7・8回。7時半になるとうに漁終了のアナウンスが沿岸に流れ、漁師さん方は一斉に港へ舟を向けた。
迅速・丁寧なうにの出荷作業
港へ戻ると、うにを各番屋へ運び、出荷の準備をはじめる。鴛泊港の吉田幸生さんの番屋へお邪魔させていただいた。まずうにを専用の道具で二つに割り、同じく専用のうにベラ(うにスプーン)で身を丁寧に掻き出す。身から内臓をピンセットで除去して海水で綺麗に洗い、冷やされた海水にセットされた専用のザルに並べていく。この時、うにをオス(シロ)とメス(アカ)で分けるのだが、シロの方は海水が白濁する。乳(精子)を出すからで、これが強くなるとうに漁の終わりの時期だという。一ザル350gになるように並べられたうには、再び冷たく冷やされた海水に漬けなおされ組合へ運ばれ出荷される。一連の作業にはまったく無駄なことなどなく、迅速・丁寧が徹底されていた。
うにはノナと呼ばれる棘が長く紫黒っぽいキタムラサクウニとガンゼと呼ばれる棘の短いお饅頭のような形をしたエゾバフンウニの2種類がいて、両種とも、北海道産は高級品だ。味は好みに分かれるが、甘みが強いのがガンゼで身が大ぶりで食べ応えあるのがノナだ。ここ利尻島鴛泊地区ではノナの漁期が6月1日から9月末まで、ガンゼが6月15日から8月末までとなっており、最盛期はこれから。口に入れた瞬間にとろっと広がる甘く幸せな味覚は、漁師さんの体を張った漁があるからだと感じた。

  • <鴛泊港> 稚内とのフェリーで繋がる鴛泊。ペシ岬が美しい。 一帯がうに・昆布の漁場となっている。
  • <5時半> 朝の五時半、それまで漁のポイントを探していた漁師さん方が 一斉にタモを海中に突き入れた。
  • <体勢> 片足で櫂、手でモーターを操作しながら タモで海底のうにを獲っていく。
  • <タモいっぱい> タモをあげると網の中にはガンゼが大量に入っていた。
  • <帰港> 時間になり、港へ戻る。すぐに番屋へ運ぶ。 少しでも鮮度良く出荷したいという、漁師さんの願いからだ。
  • <出荷作業> うにを割り、中身を取り出す。流れ作業で迅速に行われる。
  • <掻き出し> 割ったうにを専用の器具、うにベラ(うにスプーン)で掻き出す。
  • <洗浄> 掻き出したうにの中身から内臓等をピンセットで丁寧に取り除き、綺麗に洗浄する。
  • <水切り> 出荷前、水切りをする。 水切り後一ザル350gくらいになるように並べられたうに、実に鮮やか。
  • <ガンゼ> 棘が短く、ちょっと扁平な形がエゾバフンウニの特徴だ。
  • <シロ・アカ> 上ふたつがシロ。下ふたつがアカ。 味に変わりはないが、見た目に違う。シロがオス、アカがメス。
  • <うに丼> 利尻名物うに丼。これでもかというくらいにうにが乗っている。 口の中でとろける幸福感は最高だ!