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浜中漁協 霧多布港 昔ながらの伝統 空釣り縄たこ漁
昔ながらの伝統 空釣り縄たこ漁
寒さの厳しくなる11月から始まるたこ漁。30メートルほどの縄に約100本の針を仕掛けて、海底に張っておく漁法は昔ながらの空釣り縄漁として今も受け継がれている。移動するたこが針に絡まって逃げられなくなる仕組みで、たこの習性をうまく利用した、餌を一切使わない伝統的な漁法だ。夕方の霧多布港には漁を終えた漁船が次々に戻り始めていた。

子蛸と水蛸。霧多布で穫れるたこは大きく分けると2種類。地域によっては子蛸のことを柳蛸、水蛸のメスを真蛸と呼ぶこともあるという。柔らかい子蛸は「たこのかき揚げ」、食感の良い水蛸は「お刺身」や「しゃぶしゃぶ」がオススメ。たこによってもいろんな特徴があるので、たくさんの人に美味しく食べてもらいたいと漁師さんは言う。たこの種類やオス・メスの選別を一瞬で行うベテランの漁師さんによって、水揚げ作業はあっという間に行われていった。
天候が良ければ、出港は早朝3時で帰港は夕方4時ごろ。2時間ほどかけて漁場に移動し、2、3週間前に仕掛けておいた縄をあげて戻ってくる。船の上では選別作業があり、帰港後すぐに水揚げし、その日の片付けと次の日の準備。これでやっと朝まで休めるのかと尋ねると「明日は天気が悪くなりそうだから、夜中に出港するよ」と、船頭さんはスマホの天気予報をチェックしながら言った。この数年のスマホの普及で漁の作業は大きく変化したのだという。アプリでピンポイントの天気予報を知ることができるので、出港して天気が悪くなったから引き返してくる「空操業」はほとんどなくなった。LINEによって一括連絡が出来るようになったおかげで、たくさんいる乗組員への出港時間の連絡がとても簡単になり、一人一人に電話連絡してた時間のロスも無くなった。かなり便利になったのだ。スマホの普及が漁師さんの業務の効率化に影響していた。これからの時代、どんな些細なことでも新しいことに取り組まなくてはいけないし、なるべく乗組員の負担も減らさなくてはいけなと船頭さんはいう。霧多布では30年以上前から、資源保護のためにたこの産卵礁を作るなど、増殖に対して取り組んでいる。新しいことを取り入れながら、資源を守ることによって、近年はたこの水揚げ量は増加しているそうだ。昔からの取り組みが今に繋がっているのだろう。

  • <空釣り縄たこ漁> 夜明け前に出港した船が戻ってきたのは、あたりが暗くなった夕方4時ごろ。霧多布港では8隻の漁船がたこ漁を行っている。
  • <船底にいっぱいのたこ> 船の上では既に「子蛸」と「水蛸」に選別されている。くっついているたこを剥がしながら、クレーンでの水揚げが始まる。
  • <クレーンで水揚げ> 船から大きな袋ごとクレーンで水揚げされ、コンテナへと移動。1袋には約500kgの蛸がびっしりと詰まっていた。
  • <子蛸の見分け方> 水蛸に比べて小ぶりなのが「子蛸」。子蛸は一杯3kgぐらいだが、水蛸は10kgから大きいと15kg以上もある。
  • <水蛸の選別> 水蛸はオスメスに分けるため、選別台へ移動。吸盤を見ると一目で区別がつくという、ベテラン漁師さん。
  • <この日の水揚げは約3トン> 近年、霧多布のたこ漁は水揚げ量を増やしている。今年は全体の約6割が子蛸。他に水蛸、真蛸がある。
  • <漁の時間は天候次第> 天候によっては、夜に出港して夜明け前に戻ることもある。たこ漁の時間の時間は不規則だから、体力勝負だと教えてくれた。
  • <縄さやめ> 空釣り縄で使った縄には、針と糸がびっしりと絡まっている。ひとつひとつ手作業で行うため、かなりの時間がかかる作業。
  • <漁師さんのこだわり> ステンレス製の針は、漁師さんによっては特注品。大中小と3つのサイズを使い分けている。
  • <たこのしゃぶしゃぶ> びっくりするぐらい厚いたこしゃぶは、地元の居酒屋さんならでは。他にも、唐揚げやお刺身なども味わえる。