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根室漁協 花咲港 秋の味覚 さんまとの知恵比べ 道東沖のさんま棒受け網漁
秋の味覚 さんまとの知恵比べ 道東沖のさんま棒受け網漁
秋鮭と並ぶ秋の味覚の代表格・さんま。9月・秋風が抜ける花咲港はさんまを追い求める漁船で活気に溢れていた。

7月下旬、いよいよさんま漁が解禁になる。しかし、その頃のさんまは過ごしやすい冷たい海水(8~11度)を求めて日本からはるか遠いロシア海域を回遊しているため、実際に漁になるのは、餌を求めて回遊しながら次第に南下し北海道に近くなる8月下旬頃からだ。とは言え北海道の東海域はるか遠くが漁場となっており、大型船でも1日半はかかるエリアだ。
9月。秋風が吹くようになると、さんま漁が本格的になり、花咲港は全国から集まったさんま船で活気に溢れる。
花咲港を出港した船は1日以上かかる漁場へ向かう。漁場では魚群探知機でさんまを探し、日が落ち暗くなると、漁師さんとさんまの知恵比べがはじまる。
棒受け漁とは、さんまの 光に反応して移動する走光性という習性を利用した漁で、真っ暗な海面へまばゆい集魚灯をあててさんまを寄せ、その寄ったところを網でまさに一網打尽で漁獲する方法だが、そこには漁師さんとさんまの駆け引きが展開されている。
まず、集魚灯を右舷だけ点灯させ、そこにさんまをどんどん寄せる。十分な量が右舷側に寄ったところで、左舷側に網を仕掛ける(沈める)。次に右舷の明かりを一列一列消していき、同時に船の先を点灯させ、さらにサーチライトを利用し寄ったさんまをどんどん左舷側へ寄せて追い込んでいく。網が沈められている左舷側にさんまが寄ったところで明るい集魚灯の色を暗い赤色にすると、さんまが急に沸騰した鍋のように海面で沸き立つ。その次の瞬間に網を手繰り寄せると大量のさんまが捕獲できるというわけだ。それをフッィシュポンプで吸い上げ同時に氷漬けにする。そして、獲ったさんまの量と海の模様を見ながら操業を切り上げて帰港になる。もちろん1日半かかる。
港に戻った船は競りの時間に合わせて荷揚げし(通常競りは1日に朝7時、11時、13時、15時と4度行われている)、それが終わると給油、氷の補給などを済ませ、一時たりとも休む暇もなくすぐに漁場へ向けて出船する。これが11月末くらいまで続けられる。本当に大変な仕事だ。
さんま資源を維持するために多くの規制がある中で、漁師さんたちは、多くの方に美味しいさんまを食べてもらいたいと数ヶ月に渡り、はるか沖で操業を続けている。陸にいる時間は台風などで漁場へ行けない場合くらいだ。
天高く馬肥ゆる秋の食卓を飾るさんま。そのさんまには漁師さん方をはじめ多くの関係者の熱い思いが込められていた。

  • <帰港> 1日半かけてさんまを満載した船が戻ってきた。
  • <荷揚げ1> 夕方以降に戻ってきた船は3:30AMの荷揚げの時間まで待機する。
  • <荷揚げ2> 時間になり、タンクを積んだトラックがきた。
  • <荷揚げ3> 太くて大きなさんまがクレーンでタンクへ。
  • <荷揚げ4> さんまを荷揚げする時、指示の大きな声が響き、活気溢れる。
  • <荷揚げ5> 大きなタモ網で船底から掬いあげられたさんまが次から次へと上げられていく。
  • <さんま> 秋刀魚。文字通り刀のような外観のさんま。下唇の先端が黄色いのが特徴だ。
  • <競り> 荷揚げされたさんまはすぐに競りにかけられる。緊迫するシーンだ。
  • <出荷1> 荷揚げされたさんま。競りが終わり落札した会社の札がついている。
  • <出荷2> すぐにリフトカーでトラックに積まれるさんま。
  • <出船1> 漁船はすぐに給油し、氷を積み込み次の漁の準備を迅速に行う。
  • <出船2> 準備を終えるとすぐに出港だ。1日半かけて漁場へ向かう。