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厚岸漁協 厚岸の毛がに漁
旨味が凝縮された噴火湾のほたて 豊浦町のほたて漁
年の瀬迫る12月22日早朝4時少し前。真っ暗でとても寒い。当然だ。冬至である。夜が最も長い1日だ。しかし、豊浦の港はほたてを荷揚げする船団で極寒を吹き飛ばすような活気に満ち溢れていた。

息が真っ白になる中、岸壁では忙しく「おかまり」さん(陸周りさん が おかまり と訛って転用された語で陸作業を行う人々のこと)方が準備をしている。そうこうしていると次々にほたてを積んだ船が入ってきて接岸する。大きな網の中にはほたてがびっしりだ。港から沖へ10分ほどの海域にある養殖施設で、ほたては海中に吊されるように設置されている。それを回収してくるわけだ。
ここ豊浦町は噴火湾ほたて養殖発祥の町で、礼文華地区がその地だという。海流等の関係で、ほたてが食べるプランクトンが豊富かつ海も荒れにくく、ほたての養殖場にとても適しているという。そして礼文華地区沖にてほたての養殖が始められてから50年以上が経つ。この間にその養殖技術は向上し、漁の方法も進化してきて今がある。
接岸した船からほたてが入った網をクレーンで吊り上げて、「ミキ洗」または「ガラガラ」と呼ばれるほたての洗浄機へ投入される。ミキ洗のスイッチが入るとガランガランと大きな音が辺り一面に響く。水揚げされたばかりのほたてには、イガイやフジツボ、イソギンチャクらがびっしりとついている。この洗浄機はそれらを洗い落としてくれ、かつサイズで仕分けてくれる多機能マシーンだ。
投入されたほたては回転するドラムの中を通ってくるが、その間に貝の付着物が取り除かれ、きれいになってサイズ別に出て来る。それを一瞬でチェックして、無事に通過したほたてが移送トラックにベルトコンベアーで運ばれていく。また一方では、ほたてを吊っていたロープを専用の器具で巻き取る作業が行われる。全てに無駄がなく、隙がない作業が続く。
船上のほたてが全てきれいになると2トン車にいっぱいになった。ここまで約2時間。それから再び沖へ出て、今度は「丸カゴ」と呼ばれる網カゴの中で特別に育てられているほたてを回収してくる。戻ってきた船からほたては直接岸壁へ丁寧に広げられ、ここから船員・おかまりさん方総出で人力による貝の洗浄が始まる。専用の小型の鉈なたで、ほたてに付着しているイガイなどを丁寧に削りとる。目の前にはほたての山。その山がなくなるまでに総出でも2時間近くかかった。これは貝のままの直接販売分とのことだ。洗浄機を通すとどうしても貝が欠けたりするので、そうならないためにはやはりひとつひとつ丁寧に作業するのが賢明である、ということだ。そして9時に先のミキ洗経由のほたての検量がなされ、入札がはじまる。同時に直接販売分の荷造りも行われる。とにかく一瞬たりとも手を休める者など一人もいない。なんというチームワークだろうか。
なお、このほたて漁は3月いっぱいまで続けられる。
海と山の幸が豊かな内浦湾(噴火湾)という意味で豊浦という町の名になったというように、ここ豊浦町には海とほたてを知り尽くした漁師さん方が育てた、旨味がぎゅうっと凝縮された超絶品のほたてがあった。

  • <接岸> 沖の施設からほたてを引き上げて船が戻ってきた。真っ暗な中でも手際よく接岸。
  • <満載> ほたてが満載。この日は4tの水揚げ。
  • <荷揚げ> クレーンで吊られて「ミキ洗」に直接投入される。
  • <洗浄機> 「ミキ洗」、「ガラガラ」と呼ばれる多機能の洗浄機。
  • <洗浄1> ほたてがベルトの上をゆっくりと進んでいく。黒く見えるのはイガイの稚貝。
  • <洗浄2> 「ミキ洗」の中を通過していくとどんどんきれいになっていく。
  • <洗浄3> 最終チェックされて移送トラックへ流れていく。
  • <洗浄4> ベルトによってトラックに運ばれたほたて。どんどん降ってくる。
  • <洗浄5> トラックの中には、きれいになったほたてが山積み状態になっていく。
  • <船長> 「豊浦のほたては旨味が詰まっています。」と語る、第二十八 栄政丸の柳本船長。
  • <手作業> カゴからあげたほたては、ひとつひとつ手作業できれいにしていく。
  • <出荷> 直接販売分の荷造り。迅速だ。