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戸井漁協 汐首漁港 超新鮮・旬の味 戸井のばばがれい延縄漁
超新鮮・旬の味 戸井のばばがれい延縄漁
ばばがれいの別名は 「なめた (滑多) がれい」。 真冬の津軽海峡で獲れる旨味抜群のばばがれいは、 尾びれの付け根まで卵がびっしり。

やはり暖冬なのだろう、1月初旬にもかかわらず雪が全く積もっていない戸井漁協の汐首漁港。気温はマイナス4℃だ。早朝5時過ぎ、港では前日の魚を出荷する漁師さんや、これから漁に出る準備をしている漁師さんの姿がある。6時半を回り、東の空から日が顔を出すと、さらに港内は餌をセットした針をプラスチックのざるを利用してまとめた「なわざる」を積み込む漁師さん達の活気に溢れ、船はドドドドーッとエンジンの音を残して次々と港を後にした。漁場はその日の海況によって決まる。漁師さん達の蓄積された長年の経験から導き出されるのだ。
沖に目を向けると、手が届きそうな感じで下北半島が迫ってくる。津軽海峡真っ只中。ポイントは岸から2マイル(約3.2km)内。水深は浅いところだと50m。深いところにもなると200mもある。そこへ延縄を沈めて1~2時間ほど待ち、引き上げる。
なわざる1枚の延縄は70mほど。そこに90本の針が結ばれている。そしてそれが25枚繋げられる。つまり1750mという長い延縄になる。その両サイドにアンカーを打ち、間に重り(石)をセットして海底へしっかりと沈める。これが2建てある。合わせて3500m、4500本の釣り針になる。本当に大変な作業だ。2枚目の延縄を沈ませ終え、1枚目の網をセットしてからだいたい1時間程度経過するといよいよ引き上げだ。延縄をゆっくり引き上げてくると大きな小判形のかれいが上がってくる。ばばがれいだ。他の魚種、まぞいやほっけ、べろかじか他もかかってくることがあるが、9割以上がばばがれい。様々な魚がいるなかで、揚がってくるのがほぼばばがれいというのが漁師さん達の実力なのだと思う。圧巻だ。
そして魚は水揚げされると同時に針を外し魚箱に入れられる。ばばがれいは体表のぬめりが強い魚なので、針から外すのも容易ではないのだが、どんどんと魚箱がいっぱいになっていく。すべての延縄を上げ、魚を外し終えるとおかまりさん達が待つ港へ急いで戻る。
帰港するとすぐに荷揚げだ。接岸した船から魚箱ごと車に積まれていく。魚箱のばばがれいたちがバタバタと暴れる。そしてすぐに港内にある漁組の荷捌き所で検量しサイズ別に分け、きれいに洗浄した後、氷が敷き詰められた発泡箱に5kgを目安に詰められる。1枚500gくらいのかれいだと10尾。1枚1500gという良型だと3尾となる。「私たちが食べても本当に美味しいかれいだからね~! この時期はこっこもびっしり詰まってるしさ!」と箱詰めをしているお母さんが微笑む。手際良く進められた箱詰めが終わると、新鮮なばばがれいが山積みされていた。このかれいは翌朝6時から函館魚市場で競りにかけられ、その後食卓に至福の味を届けてくれる…。
12月下旬から3月下旬、5月~6月と2期に分けて漁が行われるが、戸井漁協の汐首漁港には津軽海峡に育まれた最高に美味なばばがれいを美味しく食べてもらいたいと願う漁師さん達の明るい姿があった。

  • <積込> なわざる。1枚70mに90本の針がついていて、25枚で1建て。それを1船あたり二つ積み込む。
  • <出船> 早朝5時から7時にかけて準備が整い次第出船だ。港は津軽海峡に面している。
  • <漁場> 津軽海峡が漁場だ。2マイル(約3.2km)内。水深50〜120mの砂底を狙う。背景に浮かぶ陸は青森は下北半島。
  • <荷揚げ> ぬめりが本当に強い。船上できれいに洗浄し荷揚げする。
  • <山積み> おかまりさんが次々に軽トラに運び、山積みされていく。
  • <ばばがれい> バタバタと跳ねるかれい。みんな活きていて抜群の鮮度を保っている。赤いラインは針素(ハリス)だ。
  • <荷捌き場> 港内にある漁組の荷捌き場。運ばれたばばがれいはここで計量・選別・洗浄後氷の上に箱詰めされる。
  • <大きなサイズ> このサイズだと1.5kgはある。1箱5kg前後になるように詰める。このサイズだと3尾になる。
  • <ばばがれい> 他のかれいと違い、背びれと尻びれが長く全体的小判のような体型が特徴で、身も分厚い。
  • <ばばがれいの卵> このうっすらとオレンジ色になっている部分が卵。尾の付け根付近まで詰まっている。超絶に美味なり!
  • <釣り針> これが釣り針。1枚のなわざるに90本セット。それに餌の塩えらこをつけていく。4500本、気が遠くなる作業だ。
  • <おもり> 延縄の間にセットされるおもりは転石を利用している。