

『日本一の昆布の里』として有名な南かやべだが、実は、北海道における大謀網の発祥の地でもある。春から初冬にかけて噴火湾を走ると、湾内いっぱいにブイが浮いているのを確認できる。あれが大謀網だ。
夏から秋にかけてぶりや真いか、秋には鮭といった魚種が漁獲される。もちろん他にもまぐろやかれい、さば、ふぐといった魚種も入る。大謀網漁は魚影を探して追いかけて網を打つわけではなく、魚が回遊してくるであろう海域に網を仕掛けておき、そこに入った魚を捕獲するという漁法だ。これはその海域が豊かでなければ成り立たない漁法でもある。そういった観点からもここ噴火湾は大変豊かな海域と言える。
帰港予定時時間を1時間以上過ぎた午前7時過ぎ、船が接岸した。と、同時にすぐに荷揚げ作業が始まる。船倉からぶりが溢れている ! 大漁だ ! 1時間遅れた理由がこれだ。
岸壁に横付けしたクレーンを積んだトラックでぶりを掬ったタモ網を吊り上げる。丸々としたぶりがぎっしりだ。
選別台に運ばれ、広げられたブリたちは漁師さん方が1~2キロ、3~4キロ、5~6キロ、7キロ以上とサイズごとにきっちりとわけていく。選別台を流れていく大型のぶり。宙を飛ぶぶり。迅速、そして圧巻な光景だ。
すぐにコンテナがいっぱいになる。それをフォークリフトで市場へ運び計量し、出荷。これを何度も何度も繰り替えす。しかも特に指示があるわけでもなく、漁師さん方のアイコンタクトだけで作業が進んで行く。一切の無駄がない。もちろん休憩もなく、作業がもくもくと続けられていく。絶妙なチームワークだ。この日は、2時間近くもかかり荷揚げを終えた。
だが、すぐに次の漁に備えて準備を始める漁師さんたち。まだまだ帰れない。しかし、漁師さんたちは大漁に満面の笑みだ !
噴火湾は木直漁港にはぷりぷりのぶりと漁師たちの最高の笑顔が広がっていた。